スパイダーマンシリーズには名シーンが数多く登場しますが、その中でも「森の中で蜘蛛の巣のハンモックに寝そべり、スパイダーマンとMJがキスする」シーンは記憶に残りやすい瞬間です。今回はこのシーンがどの作品に登場するのか、背景や演出の意図も含めて丁寧に解説します。
スパイダーマンとMJの“森の中ハンモックキス”はどの作品?
結論から言うと、このシーンが登場するのは『スパイダーマン(2002)』でも『スパイダーマン2』以降でもありません。実はこの描写は、意外にも映画本編ではなく、プロモーション映像・イメージカット・コミック関連アートとして存在したものとされています。
初代三部作(サム・ライミ版)では、有名な「逆さ吊りキス」はありますが、森の中で巣のハンモックに座ってキスするシーンは登場しません。そのため、多くのファンが「見た気がする」と感じるのは、当時の雑誌広告やメイキング写真・コミックカバーが原因だと言われています。
なぜ“記憶の中にあるのに、映画にない”のか?
映画を見直すと存在しないのに、印象だけが残っている──これは映画ファンの間でもよく話題になる現象です。理由として考えられるのは以下の通りです。
・プロモーション写真の印象が強かった
当時の雑誌や映画館パンフレットには、スパイダーマンが森の中や公園でMJと寄り添うイメージカットがいくつか掲載されていました。
・スパイダーマンの世界観と合致し、脳内で「本編にあった」と錯覚しやすい
初代の雰囲気・MJとの恋愛描写の多さから、自然と「本編のどこかにあった」と記憶補完が起きやすいシーンです。
初代スパイダーマン三部作の実際の名キスシーン
記憶を整理するために、サム・ライミ版で実際に存在する代表的なキスシーンを紹介します。
①『スパイダーマン』(2002)の逆さ吊りキス
スパイダーマン映画史だけでなく、映画史全体を代表する名シーンです。雨の中でMJがマスクをめくり、逆さまのスパイダーマンとキスします。
②『スパイダーマン2』のバルコニーでのシーン
MJの婚約者との三角関係が描かれ、象徴的な対比として逆さ吊りキスのセルフオマージュが登場します。
「森のハンモックキス」に似ている別媒体の例
実写映画以外では、似た構図が複数存在します。
・アニメ版『スパイダーマン』シリーズのイメージシーン
アニメでは自然の中でウェブを使う描写が多く、恋愛シーンに近い雰囲気のものもあります。
・コミックの表紙や挿絵
スパイダーマンが木の間に巣を張る描写はコミックでは一般的。そのため、これらの印象と記憶が混ざるケースがあります。
まとめ:そのシーンは“映画本編ではなく別媒体のイメージ”の可能性が高い
多くの人が「見た気がする」と語る、森の中で巣のハンモックに寝そべってMJとキスするシーン。しかし、サム・ライミ版含むどの実写スパイダーマンにも本編としては登場していません。プロモーション用の写真やコミックの印象が強く、記憶に深く残っていると考えられます。記憶の曖昧さが生んだ“不思議な映画あるある”の一つと言えるでしょう。


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